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施設で感じる◉と✖️

こんにちは!プロダンサー兼肢体不自由運動講師の郁美です^_^

パラレルワークやシェアして働くことは少し前から当たり前になってきていましたが、コロナで更にそれが古い業界でも受け入れられることが多くなり、二足の草鞋がめずらしくなくなりました。本職を疎かにするな、とか色々手をつけすぎなんだ、とか所属はどこなんだとか、、つまらないこだわりを持つ人が減り、世の中少し働きやすくなりましたね☺️

さて、今日はそんな私の副業のひとつでもある『肢体不自由者へのスポーツ指導』で感じている、センスを感じる介助と真逆の介助のパターンをお伝えしたいなと思います。これは、障害のある方に関わる仕事に限らず、教育、接客、にも通じることもあるかもしれません。。

7年間体育教師生活で分かったのは、授業をつくるのも、子供を団結させるのも、体が不自由な方に必要な介助や声かけ見極めるのも、すべてコツがある、ということでした。経験はひとつの大切な要素ですが、視点がトンチンカンな教師は何歳になっていくら経験を積んでも、授業崩壊をおこすやり方を繰り返す。障害者福祉施設や支援学校でも必要のない声かけで、その人の本来の力を引き出せない。経験が浅くても視点のいい若者の方が明らかに面白い授業をつくったり、素晴らしい支援をしたりしていました。(特に特別支援学校では顕著でした)

今回は介助の仕方や支援の時にポイントを絞り、いいなと思う職員さんの行動パターンとと、そうでないパターンを一部まとめてみようと思います。

体育指導をしていると、この職員さんが側にいると、介助されてる利用者さんがすごく力が発揮できるなー✨ という場面(◉)と、職員さんが自分のことしか考えていないのでは?(✖️)と思うようなトンチンカンな場面とがあります。

以下具体的な例!

まず

①始まりの挨拶をしてる時

◉指導者の方に車椅子の正面や顔を向ける

✖️利用者さんが私に背を向けていてもお構いなし

※利用者さんは重い肢体不自由があると、車椅子の向きや顔の向き自分でが変えられません。でも集中さえできれば、聞く力や考える力はあるのがほとんどです。目を向け、集中をさせてあげようと思えるかどうかで、まず職員さんの質が見えます。酷い人は近くで関係のないお喋りを職員同士でして、集中を妨げます。嘘みたいな話ですが、本当によくある光景です。

②利用者さんがスポーツ中に混乱して取り乱したり、泣いたりした時

◉今〇〇やってみてますよ!今〇〇さんが〇〇してるので順番は次ですよ!など、今やっていることに目や意識を向けさせる声かけをする

✖️もう直ぐ終わるから!!あと少し我慢!

※身体の状態にもよりますが、元気なのに取り乱すパターンは、その活動が嫌いと以前に今やっていることが分からなかったり、慣れなかったりして不安で取り乱すことも多いです。安易に嫌がってる、嫌いと決めつけ『もう終わりますから』というマイナスな声かけは、その方の理解や成長を促すことができず、介助者都合の声かけに聞こえます。今やっていることに少しずつ慣れて、先を見通す力をつけて、利用者さんが精神を安定させられる場を増やそうと思っての声かけは、時間はかかれど必ず良い変化をもたらしてくれます。終わりますから、とはその人がスポーツを好きになるかもしれない機会すら奪う声かけです。その人が固執している人形やタオルなど、別世界に入り込んでしまうようなこだわっているものを安易に与えて静かにさせる手段をやたらととる職員さんも、彼らの生活レベルを広げることを妨げる安易な逃げかなと思います。

③私がスポーツの題材提供をしたときに

◉これまでやったことはないですが、〇〇さん(利用者さん)にはどういう方法だと理解や参加がしやすいですかね?と考える

✖️〇〇さんにこのスポーツは難しいと思います、と決めつける

※難しいのはそのスポーツを自分の基準でやらせようとしているから。どんなに重度の方でも、どのスポーツでもやれる方法はいくらでもあります。スポーツに人を当てはめるのでなく、その方に適したやり方をこちらが探していけば、肢体不自由スポーツの可能性は無限大かなと思います。

④歩行の介助をするとき

◉軸足の筋肉や重心の動きを見てサポートする

✖️出す足側をとにかく出させようとして軸足に立ちづらい位置に上半身があることにも気づかず押したり引いたりする

※その人の力を、その人の重心の流れをどれだけ感じ取ってあげてるのか。介助者が自分の思いだけで、ふり出す足を前に出させようとすれば肢体不自由のある方は力が半減します

⑤過緊張で部位が動かないとき

◉大丈夫だよ!リラックス!などの声かけ。必要な部分だけをサポートし、あまり過度に声かけをしない。場合によっては視野から離れる。など、その人に応じて最小限のサポートをする。

✖️手あげて!〇〇さーん!!!離してー!など、やたらと大声でたくさん指示を出す。あるいは全く関連性のない声かけでとにかく動きだけを急いでださせようとする。

※その方がいま、その動作をしようとして過緊張しているのか、それともやっていることを理解できていないのか、求めてる動きは身体にとって可能か、その見極めもないままやたらに声をかけまくる支援は、肢体不自由の方の可能性を潰してしまいます。よく見て、小さな動きや違いを感じ取り、待ったり離れたりすることも必要かなと思います。

こうして挙げればキリがないけれど、ようは相手の可能性や成長、豊かな時間を増やすことをいつでも信じ願っているか、それとも支援者側が楽な方を選んで少しずつ利用者さんの生活が豊かになる可能性を奪っているか、の違いだと思います。

私の見解だと、福祉の仕事をしている現場の人も、支援学校の教師も、◉の人と✖️の人がもしかしたら半々くらいかなと思います。

✖️の場面が当たり前な施設に、私が行ってスポーツ指導や講義をしても、なかなか手応えがなく悲しくなる事があります。まぁそこを打破するのが私の仕事なのですが。。

逆に◉の職員さんが1人いるだけで、その時間がとても豊かになります。一瞬で、うわ!この人大好き!!ってなります!!!笑

肢体不自由の利用者さんも、そういう職員さんが大好きだろうな、というのも見ていてわかります。

さて8月からは野球の指導がはじまりました。

野球といってもリアル野球盤ってかんじですが。。笑

どんな発見があるか、利用者さんと職員さんのどんな素敵な連携プレーが見られるのか、、また楽しみです!

養護学校時代に学んだものを再現し作りました!これがあれば、麻痺がある方でも野球が楽しめる❤︎

高校を卒業し施設で過ごす肢体不自由の方々が、余暇活動や、趣味、生涯成長したり、新しく発見したりできる場があり続けるよう、私も諦めずスポーツを通じ伝え続けていきたいなと思います。

郁美

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